黒蘭の蔵

気に入ったもの、気になったものを放り込んでおく蔵
2018/12/25(火)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。
ゲーム中の英文を書き写す際、文字が判別しづらく単語を間違っていたり、和訳が間違っているかもしれませんが、ご了承ください。

前回、その7はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




今回は「消失」関連で思ったこと、考えたことを。
その前に、セーブデータに記される各章のタイトルをまとめておきます。


第1章 1節 新しい妖精

第2章 1節 友だち

第3章 1節 ハーブのシチュー

第4章 1節 妖精さんの椅子
第4章 2節 嵐の夜に
第4章 3節 妖精さんの椅子 II

第5章 1節 音楽堂を開けるんだ
第5章 2節 妖精さんと演奏会

第6章 1節 みんなの決意
第6章 2節 ロッブの森
第6章 3節 再会

第7章 1節 みんな消えて
第7章 2節 妖精さんの椅子 III
第7章 3節 悲劇の理由
第7章 4節 嵐の夜に II
第7章 5節 妖精さんの椅子 IV

第8章 1節 ユーリヤ
第8章 2節 新しい妖精 II

全章 完



◇消失とミイラ化



消失とは、人であった妖精が命の時間を奪うことから起こると思われます。
一方、プレイヤー妖精が命の時間を奪った場合は肉体がミイラ状になるものの、ユーリヤの肉体が残っていることから分かるように、その場で消失してしまうことはないようです。



金枝を持つ妖精が命の時間を奪う方法は、ロージャとマリーの事例を見る限り、金枝を対象に突き刺すような形になるようですが、プレイヤー妖精が人の命の時間を奪うのは、対象となる人物が両手で金枝を持っている状態のときになります。
この違いが対象の消失とミイラ化の違いになるのでしょうか?

プレイヤー妖精は生まれたばかりで全てを奪いきれないのかとも考えましたが、妖精化ユーリヤは子供たちすべてを奪ってるので、妖精としての経験、時間的な長さは関係なさそうです。

あるいは時間に対する執着によって、奪う量が異なるのかなとも思いました。
しかしそうなると同じプレイヤー妖精の行為でありながら、ユーリヤの肉体はミイラ化しても精神体として存在し、約5ヶ月後に消えるのに対し、ルーリンツはその場で「消えること」を実感しているような様子なのが、矛盾を感じるところです。
そもそもユーリヤが精神体として存在していることのほうが特殊なのかもしれませんが。

個人的には、古い時間に囚われた妖精と赤子から生まれた妖精、金枝を持つ妖精と持たない妖精、それらの総合的な違いが消失とミイラ化という違いになるのではないかと思います。

ちなみに12月11日、教室で寝ているルーリンツのそばにある金枝を手にして突き刺すような動作をしても、ルーリンツの命の時間を奪うことはできません。
ゲーム的に当然なんですが、ちょっと気になってやってみましたw



◇消失とロッブの森

セーブデータの章のタイトルから山小屋のある場所周辺がおそらくロッブの森だと思われます。
過去改変後の12月11日にニルス(幻影)が読んでいた書籍から推測すると、消失はローアンからロッブの森、内海へと広がっていったようです。



正確にはローアンが先か、森が先か、書籍からは判断できないんですが、個人的には消失の発端はやはり人の妖精化にあると考えているので、その中心地であるローアンから始まったと考えています。

本がどれくらい前に出版されたかは分かりませんが、その後も消失は続いているでしょうし、山小屋のお爺さんの日記(手帳上の英文)に「There is no man but I, and no beast but my cat.(私以外に人はおらず、私のネコ以外に獣はいない)」とあることからも森の生き物がいなくなっていることがうかがえます。



同じく日記には「A pox on this mad spectre of Rohn!(ローアンのイカれた化け物め!)」との記述もあります。
森をうろつく妖精はローアンで妖精化された人なのか、ローアンの消失に関与したのか、確実なことは言えませんが、少なくとも妖精研究をしていたであろうお爺さんはこの妖精をローアンに関係があるものとして認識しているようです。

消失に関しても数々の疑問があります。

そもそもローアンで妖精化した人は何人かいるのでしょうか?
お爺さんの手帳には「There's one last faerie out there.(外に最後の妖精がいる)」とあり、妖精が複数体いる(いた)という認識のように思います。

ただ、目に見えない妖精が複数いた場合、どのようにして観測していたかといった疑問も生まれます。
ネコ一匹では対処しきれないでしょうし。

妖精が複数体いたとして、街や森から人や生き物の姿が見えなくなるほど命の時間を奪ってきたとしたら何体いたのか?
他の妖精は退治されたのか、過去へと移動したのか?
雪山の妖精は一体でお爺さんや子供たちの命の時間を奪っていったようですが、妖精一体が奪える時間の最大量は決まっているのか?
奪った時間の量によって妖精がさかのぼれる時間の量が決まるのか?

答はどこにもありません。



◇消失と寄宿学校



ゲームを開始した当初、10月20日の鳥の画が書かれたニルスのしおりの説明に「その生き物を 本の中でしか知らない」とあり、その“種類”の鳥を見たことがないという意味かなと思ったんですが、「鳥という生き物」自体を知らないとも取れるので、ちょっと迷っているところです。
木の上のハーマンの時間が動いた際、森の上を飛んでる鳥がいるので全くいないわけではないと思うのですが。



ただ、ヘビにかまれたルーリンツの「新しい生き物なんて みんな見てみたいだろう」といった言葉から、学校周辺でも生き物が見られるのは珍しいことであるというのは確かだと思います。

一方で、校長は学校の外へ出ることは禁じながらも、その理由となる妖精に関することや生き物の消失のことは子供たちに教えていなかった可能性があります。

過去改変のための10月22日、ニルスはプレイヤー妖精によって入れ替えられた本「ロッブの森の消失」を見覚えがないと言いました。
また、改変成功後の12月11日にロージャが校長室で読んでいた本は赤い指輪が登場する物語のようで、過去に一度読んだ際、校長に怒られ、本を隠されたようです。



教えないことで子供たちを危険から遠ざけようとしたのか、妖精研究やローアンに関わってきたことに後ろめたさがあるのか。
子供たちを怖がらせたくないという優しさか、あるいはいまだ研究への意欲は残っており、子供たちが妖精を怖がると“お願い”させにくいという判断なのか。

校長の真意は分かりません。



ユーリヤもまた、11月3日の手紙から学校の外が危険であること、「すべて奪われる」ことは知っているようです。
その7でも、ユーリヤが以前から金枝や妖精のことについて知っている可能性に触れましたが、知っていたとして外の危険性を他の子供たちに言っていなかったのでしょうか?

ユーリヤとしては妖精とは友達になれると考えているため、他の子たちに妖精を怖いものだと思ってほしくないと考えたのかもしれません。



◇11月3日 ニルスの服

考察ではなく感想というか私事の余談になります。



ユーリヤの妖精化が明らかになる11月3日、1階に下りてニルスの服だけが見えたとき、他の方の感想を見るとBGMが止まる演出も相まって不安や絶望を感じたといったものがありました。

しかし私はなんか楽観的に見てましたね。
消失したと思わせといて、実はユーリヤの快気祝いパーティか何かで無理矢理着替えさせられている、みたいな(笑
ハーマンの服が見えてすぐにそうではないと気付きましたが。

まー余談でした。


今回はここまで。
その9はコチラ




関連記事:
PSVR『Déraciné(デラシネ)』 クリアしたらしーね/2018年11月11日
PSVR『Déraciné(デラシネ)』 買ったらしーね/2018年11月9日
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2019年4月19日 お爺さんの日記「There is no man but 1」の「1」を「I」に訂正、日本語訳を変更。

この記事へのコメント
There is no man but 1, and no beast but my cat.の箇所、1ではなくて、I(iの大文字)です。”私以外に人はおらず、私の猫以外に獣はいない。”
考察、とても楽しく読ませて頂いています。ありがとうございます。
2019/04/17(水) | URL | くろ #-[ 編集]
ご指摘ありがとうございます。
急に数字(と思い込んだ文字)が出て戸惑った箇所でしたw
記事のほうも楽しんでいただけたのなら幸いです。
2019/04/19(金) | URL | 喜石黒蘭 #gCBQAbbg[ 編集]
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