黒蘭の蔵

気に入ったもの、気になったものを放り込んでおく蔵
2018/12/09(日)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。

前回、その4はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




今回まとめる部分の多くは手がかりが少なく、今までにも増して憶測に基づくものになります。
謎は謎のまま、分からないものは分からないというスタンスでお届けしますのでご了承ください。


◇妖精研究の変遷

ローアンでの妖精の研究が人の妖精化にまで至った流れをざっとおさらい。
もちろん、すべて推測です。

① 妖精が持つ、「命の時間を奪い、与える」能力に注目する。

② 妖精が人の命の時間を奪うとどうなるか?

③ 人の命の時間は過去に囚われているため、人の時間を奪った妖精は過去へと移動するのではないか。

④ 妖精に人の命の時間を奪わせる触媒として金枝を作り出す。

⑤ 妖精にお願いすれば誤った歴史を正してもらうことができるのではないか。

⑥ 人が金枝を持つ妖精になれば容易に過去の過ちは修正され、世界は正しさに満ちる。なんの躊躇が必要だろうか!


③と④は同時でも入れ替えられても成立すると思います。



◇ローアンと寄宿学校



前回、校長とマルガレータもまたローアンで妖精の研究をしていたと考えました。
しかし、演奏会が開かれる10月31日18時、校長が持っているローアンから送られたと思われる手紙に「道を別った友よ」と記されていることから、2人は何らかの理由でローアンを去ったであろうことがうかがえます。

マルガレータの日記には「そればかりでは、ローアンと同じだ」といった表現があり、彼女がローアンでの研究手法や方針に批判的であった印象を受けます。

図書室にある「妖精研究概論」では、妖精が子供のそばに現れることやその能力を使わせたいときは子供にお願いさせるとよいといったことが書かれています。
妖精研究における子供の活用とその接し方に対して意見の相違があったのかもしれません。
上の流れで言えば⑤あたりですね。



マルガレータの日記では、寄宿学校にユーリヤたちを受け入れたことは妖精研究のためでもあると認めつつ、子供たちと家族のような形で関わっていこうという意志が感じられます。
校長の当初の感情が分かるものは見つかりませんが、熱を出したニルスの看病や演奏会の準備をする子供たちの様子に対する言霊から、校長もまた子供たちとの生活とその成長に喜びを感じていたものと思われます。

ついでにと言ってはなんですが、前回述べたように、山小屋のお爺さんもおそらくローアンを自ら去った妖精研究者のひとりであり、山小屋で森の監視などを行っていたと考えられます。



◇気になる名前



ちょっと気になる小ネタとして、ローアンからの手紙の差出人と思われる欄には「Nicholas Uspensky」と読める名前があります。
この名前は、若干かすれているものの、山小屋にあった書籍「妖精の実践」にも記されており、同一人物である可能性が高いと思われます。

一方、「Nicholas」という名はニルスが読んでいる本「ニコラスと庭園の動物誌(NICHOLAS AND THE GARDEN ANIMALS)」、「ニコラスと森の動物誌(NICHOLAS AND THE FOREST CREATURES)」にもあります。
これが「Nicholas Uspensky」と関係があるのか、ただの小説なのか分かりませんが、ちょっと気になるところではあります。



また、図書室の「妖精研究概論」には「Karl Uspensky」と著者名らしき名前が記されています。
「Nicholas Uspensky」なる人物と血縁関係にあるのか、あるとしたらどういう関係性なのか、こちらもちょっと気になります。



もうひとつ、ローアンからの手紙に戻って、封筒の宛名と思われる部分には「Dr. Louis Graves(Draves?)」と読める名前があります。
これが校長の名前なのでしょうか?
気になります。



◇マルガレータとアレクシス



まずマルガレータとアレクシスとの関係ですが、やはり単純に母子である可能性が高いのではないでしょうか。
我が子であるアレクシスが妖精化に失敗し、死亡したと判断したマルガレータは後を追うように川に身を投げたと思われます。

それではアレクシスの父親は誰なのか?
やはりともにローアンを出て、寄宿学校での生活を営んでいたであろう校長の可能性が考えられますが・・・どうでしょう?
校長とマルガレータが血縁関係であることを示すものは見当たりませんし、血縁関係あっても可能と言えば可能ですが、個人的にはあまりリアリティを感じないカップルです。

いずれにしても、「死ぬ運命」にあったアレクシスの妖精化に積極的であったのは校長のほうだったのではないかと思われます。
それは、妖精としてでも“存在”し続けることを願った父親の想いか、それとも他人であるが故に妖精研究者としての欲求が勝った結果なのか。



2月4日に川から上がってくる遺体は、首輪に名前が刻まれている通りマルガレータのものと思われます。
校長の日記には、マルガレータは川に身を投げた際、指輪を持っていたことが記されています。

後になってプレイヤーが手にするその指輪は、妖精のものと同じように命の時間が留められているようです。
指輪もまた、金枝と同じように妖精研究の中で人工的に作られたものなのでしょうか?



マルガレータの指輪は厳密に言うと2月4日の遺体から外して手に入れるのではなく、10月22日に時間移動した後、宙に出現した指輪を手に入れることになります。
プレイヤーが妖精になって初めて人の命の時間を奪ったときにも、赤い指輪は宙に浮かんで出現しました。
マルガレータが身に着けた指輪と、本物の妖精の指輪とはやや異なる存在なのではないでしょうか。

遺体となったマルガレータの指輪には彼女自身の命の時間が留められていると考えられます。
アレクシスの死後、マルガレータが指輪を身に着けて川へ身投げしたのは、自身の命の時間をアレクシスに渡すためだったのではないかと、私は考えています。
アレクシスが戻ってこないことへの絶望と同時に、完全な妖精化に必要な命の時間を渡したいという希望を抱いた身投げだったのかもしれません。

ただ実際にはマルガレータの指輪の力を使うことなくアレクシスはプレイヤー妖精となったようです。
ユーリヤが悪い妖精になった話はまた後で。

ちなみに「アレクシス(Alexis)」は男女どちらでも通じる名前のようで、プレイヤーがどちらの性でも違和感を感じにくい設定になっているようですね。



改めて書いておきますが、分からないものは分からないというスタンスでお送りします。


◇寄宿学校での時系列

プレイヤー妖精が寄宿学校に現れる前の出来事に関しては手がかりが少なく、出来事の順序も推測しにくいものです。
私が特に気になるのはアレクシスの生没時期とロージャが学校に引き取られた時期。



まず手がかりとして、マルガレータの姿を確認できる写真が4枚あります。
ローアン時代、5人の子供たちを迎えた日、一人で写っているものとアレクシスと写っているもの。



見比べてみると、特に見た目の変化は感じられません。
アレクシスとの写真は一人のものにアレクシスを描き足した画像と思われる、というメタ的なところは無視しますw

ローアン時代のあとに子供たちを迎えるという順番は確定できますが、アレクシスはどの時期に産まれ、死去したのか。
マルガレータが、アレクシスの死去からそれほど長く時間を置いて身投げするとは考えにくいため、ローアン時代と孤児受け入れの間にアレクシスが死去した可能性は低いと思われます。
5人がやって来た日記に「学校をあの子たちの家にしよう」、「親になろう」と前向きな決意が書かれていますが、後を追うほどの悲しみを抱いた我が子の死後に書かれたとも考えにくいですし。

アレクシスの生没時期はやはりシンプルに、5人の孤児たちを学校に迎えたときより後ということになると思います。


ではアレクシスはどのくらいの間、生きていたのか。
ということなど、疑問はまだありますが今回はこの辺で。
その6はコチラ




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2019年1月15日 「◇気になる名前」の「Draves」を「Graves(Draves?)」に変更。

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