黒蘭の蔵

気に入ったもの、気になったものを放り込んでおく蔵
2018/12/05(水)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。

前回、その3はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




今回は「妖精」について諸々考えたことを。


◇ローアン

本作では度々「ローアン」という単語が登場しますが、書物「幻の街、ローアン」から分かるように学園都市であり、地名または地名を冠した学園名と思われます。



ローアンには妖精に関する物語が数多く残されているようで、その影響もあってか、妖精に関する研究が行われているようです。
妖精研究というものがこの世界の各地で行われているのか、ローアン特有の学問なのかは不明ですが、本作に登場する書籍や資料などを見ると、少なくともローアンでは、妖精は実在しているものとして扱われているように思います。

その研究の中で金枝という物が生み出されたと考えられます。



◇金枝



ルーリンツの幻影が読んでいた「金枝術」には、金枝とは「人の命の時間を、奪い与える触媒である」とあります。
妖精は右手で触れたものの命の時間を奪うとされていますが、プレイヤー妖精として行動する中において、学校にいる実体のある子供や犬など、ある程度の大きさを持った生き物に右手で触れても命の時間を奪うことはできませんでした。
金枝とは妖精が人の命の時間を奪うため、妖精に奪わせるために作り出された物であると考えられます。

山小屋にある「妖精の実践」の日本語テキストには「我らが金枝を掲げる妖精となれば」とあります。
ゲーム内の同書籍の表紙に記されている英文には人が妖精になるといった明確な記述はありませんが、書籍内には書かれているのかもしれません。
いずれにしても金枝の存在が先にあって同書は書かれたものであり、誤った歴史を正すために妖精(あるいは妖精化した人)と金枝の力を使うことを推奨する内容であると考えられます。

人が妖精化する具体的な方法は不明ですが、本来は妖精との媒介のために作り出された金枝が、人の妖精化にも何らかの役割を果たしている可能性があります。



◇妖精と金枝



12月11日、校長室2階にある赤子アレクシスの写真の裏には「妖精になる前に」との記述があります。
写真のアレクシスは金枝を手にしていますが、これが妖精化に必要な工程で、その瞬間を撮影したものか、それともただの記録として撮られたものかは分かりません。

写真の金枝はゲーム中で見慣れたものと微妙に形状が違うように見えますが、テキストには「金枝」と明記されているので気にせず進めます。
写真として使われる画像とゲーム中のCGモデルの違いによるものかもしれませんしねw



10月22日の校長室にある、校長からプレイヤー妖精に宛てたと思われる手紙は「金枝を持たぬ妖精よ(Wandless faerie)」との呼びかけから始まります。
また校長の日記に「あの子の妖精が現れた」とあることから、校長はプレイヤー妖精がアレクシスであり、アレクシスは金枝を持たない妖精であることを理解しているようです。



雪山で遭遇する妖精は金枝らしき物を持っていました。
この妖精が元は人であったものかも含めて、全ては推測でしかありませんが、人が妖精化する際には金枝が必要であり、妖精化が達成した際にはその金枝は妖精が持ち去っていくものなのかもしれません。

アレクシスの人としての生涯がいつ、どのようにして終わったのかは不明ですが、妖精化が成功した際には持ち去られる金枝が残っていたのかもしれません。
そのため校長とマルガレータは妖精化が失敗したと判断し、学校に妖精が現れたことを知った校長はそれを「金枝を持たぬ妖精」と呼んだと考えられます。



◇人が妖精になると

ユーリヤの妖精化が明らかになった11月3日に読める2つの研究レポートから、妖精化した人が危険であることがうかがえます。

人は古い時に囚われているため、妖精化した場合、過去に旅立つという本能とでも言うべき欲求を抑えきれず、そのために必要な他人の命の時間を奪うようになるようです。
妖精が金枝を持ち歩くのも、その本能を満たすため、大きな生き物の命の時間を奪うために必要な物だと理解しているからかもしれません。

レポートでは人であっても囚われるほどの古い時が無い、あるいは極めて短い赤子が妖精になった場合は危険ではないかもしれないと予測しています。
そしてその予測は当たっていたといえるのではないでしょうか。
アレクシスは古い時に囚われていないからこそ、金枝を必要としなかったのかもしれません。

ゲーム的な話として、本作での設定ではプレイヤー妖精はアレクシスであると思われますが、当然プレイヤー自身はアレクシスとしての記憶や過去に対する執着は無く、この世界に突然現れた妖精として子供たちの手助けをしていきます。
この感覚や行動の動機は、上の危険ではない妖精の設定と合致しているように感じ、VRという環境も含めて、よくできてるなーと思いました。



ちなみに余談になりますが、この「研究レポート」、ゲーム空間内の紙に書かれた英文と□/△ボタンで表示されるテキスト情報の日本語文は、レポートNo.1とNo.2で逆になっています。
例えばレポートNo.1の最後の文「Perhaps a newborn baby would make an ideal Candidate?(おそらく新生児は理想的な候補となるのではないか?)」はNo.2のテキスト文「例えば赤子ならどうだろうか?」に対応しているように。
単なるミスでしょうかね?



◇ローアンでの写真



ローアンで撮られたと思われる写真には5人の人物が写っています。
そのうち一番右の女性が学校にある写真と同じ外見からマルガレータ、右から二番目のメガネの男性が校長であると思われます。



現在の校長の外見はだいぶ年老いて見えるので別人の可能性も疑われるかもしれませんが、女の赤ちゃんを抱きかかえたメガネの男性の写真と似ていますし、その写真の裏に書かれた「我が姪、ロージャ」の英語の筆跡も校長のものと似ているように思います。



また、山小屋にいたお爺さんも過去にローアンで妖精研究をしていた可能性が高いと思われます。
お爺さんの実体とは会うことができず、幻影からその外見的特徴は捉えにくいですが、校長と同じ程度、年を取っていると考えると一番左の男性の可能性もありますし、写真には写っていない関係者の可能性もあります。



この写真を持っているということがひとつの根拠となり得ますし、裏に書かれた筆跡と、消失し残された手帳に書かれた筆跡が似ているということも理由になると思います。

また、写真の男性は白猫を抱きかかえており、お爺さんもまた白猫と一緒に暮らしていたようです。
同一のネコかは分かりませんが繋がりを意識させるもののように感じます。


今回はここまで。
その5はコチラ




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