黒蘭の蔵

気に入ったもの、気になったものを放り込んでおく蔵
2018/12/20(木)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。
あくまで私個人のいち解釈です。

前回、その6はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




ユーリヤを中心に、諸々考えたこと、感じたことを。


◇9月17日

ユーリヤの持つ枯れた花を蘇らせる9月17日は、当初「デラシ年(当ブログのみでの呼び方です)」より1年前と考えていましたが、それよりも前の可能性も考えるようになりました。
一番の理由は9月17日のブドウの前にいる幻影ユーリア、その足元の地球儀を回すと出てくる言霊にあります。



地球儀から出る言霊は1つではなく、もう一度回すと2つ目の言霊が出現します。
その2つ目の言霊にはルーリンツらしき声も含まれていますが、1年前の声というにはだいぶ高く、やや若く聞こえる演技をしているように感じました。
根拠としては薄いんですが、1年前と断定する根拠もまた見当たらないので、可能性のひとつとしておきます。



実はこの9月17日は数年前の出来事で、裏庭をよく見たらアレクシスの墓が無いといった仕掛けがあるかもしれないと思い確かめてみたんですが、普通にありましたね。



◇ユーリヤに対する違和感

ユーリヤが実は命の時間を奪われているということがストーリー上ハッキリ分かるのは11月3日になってからですが、それ以前からも違和感を感じられたと思います。

私自身は、9月17日に襟元に着けていたブローチが、シチューにイタズラする10月20日のユーリヤには無かったことに疑問を抱くとともに、なんとなく他の5人のユーリヤに対する物言いから若干の距離を感じた気がしました。



その時は本当にぼんやりとしたものだったんですが、ニルスの看病をする2月4日に一人で礼拝堂にいるユーリヤを見たときに、もしかしたらこの世のものではないのでは?といった違和感を感じました。
ただ、実際には命の時間を奪われたのは6月1日で、2回目に訪れた2月4日で礼拝堂にいるユーリヤはブローチを着けた実体ユーリヤだったと分かりますけどね。



より確信に変わったと言えるのは10月31日、こよりで鼻をくすぐっても反応しなかったり、音楽堂の窓を開けようとするハーマンたちを見上げ、「受け止めてあげられない」というユーリヤのセリフからでした。
このセリフは同時に、単純に「受け止められるほどの力が無いから」と取られるようになっているのも上手いなと思いました。

周回プレイしていると、そのほかにも色んなところでほのめかされているんだなと気付きますね。



◇もう一度アレクシスに



チュートリアルの真相が明らかになる2回目の6月1日に、校長が持っているユーリヤからの手紙から様々なことが推測できます。
ユーリヤが金枝がどういうものかを知っていること、それを持ち出すことを校長が禁じていたであろうこと、ユーリヤがアレクシスを知っていること、金枝を持ち出したのはアレクシスに会うためだということ。

そして同時になぜそういったことを知っているのかという疑問も生まれます。
金枝についてマルガレータあるいは校長から聞いていたのか、校長には隠れて資料などを調べていたのか、など想像を巡らすことはできますが明確な答えは提示されていません。

「アレクシスに会いたい」ということに関して、私は最初、ユーリヤが妖精に命の時間を捧げ、死ぬことでアレクシスに会うという意味で捉えていました。
ただ、周回プレイしている間に、ユーリヤにとっては死ぬことよりも命の時間を妖精に捧げることが重要なのであり、その妖精にアレクシスを生き返らせてもらうことが「もう一度会う」という意味なのかな、とも思うようになりました。

また、“妖精のアレクシス”に“もう一度”会いたいという意味ではないかとも考えました。
医務室の病状記録やエンドロール後のユーリヤのモノローグから、6月1日より前の時期のユーリヤは病気か何かで寝たきりだったため気持ちが弱くなっており、いっそ命の時間を妖精に捧げようと思ったであろうことがうかがえます。
何らかの理由で妖精がアレクシスであると知ったユーリヤは、金枝を手にすることで、9月17日にその存在を実感した妖精=アレクシスに再び会えるのではと考えたのかもしれません。

現時点での私としては3つ目の「妖精アレクシスに再会」説を推したいんですが、ユーリヤが妖精研究についてある程度知っているということが前提になると思います。
前述の通り、隠れて資料を読んでいたかもしれませんし、学校に引き取られた最年長者として校長やマルガレータに何か聞かされたこともあるかもしれませんが、ゲーム内にそういったことを示す根拠は無く、やはり想像の域を出ません。



ユーリヤ、悪い妖精化



マルガレータの遺体が着けていた指輪から新たに生まれた赤い指輪を着けたことで、ユーリヤは失われた命の時間とともに、人としての生気も取り戻したようですが、それは一時的なものだったようです。
ユーリヤが悪い妖精となってしまったのは、研究レポートや書籍の幻影「特別なもの 下巻」にもあるように、他人の命の時間を与えられたためだと思われます。

その5でマルガレータの身に着けた指輪と妖精の指輪は異なる存在と考えましたが、赤い指輪として現れた時点では、ユーリヤにも着けられることから、赤い指輪は物質として存在し得るものだと考えられます。
生まれたばかりの妖精、または妖精化する人が身に着けることで、妖精の指輪として機能するのかもしれません。



その4で妖精化した人について考えたように、このときのユーリヤも金枝を持つ妖精となっています。

ユーリヤは何もないところから金枝を手にしましたが、プレイヤー妖精が現実世界のものを手に入れ、アイテム欄にしまっておくように、ユーリヤも自身のアイテム欄から取り出したのかもしれません。
「アイテム欄」とは妖精の能力をゲーム的に可視化したものだろうと好意的に解釈しておきましょうw

妖精ユーリヤの命の時間を奪った際、この金枝も物質として現実に残されていきます。
金枝はやはり妖精に付随するものではなく、古い時間に囚われた妖精が現実世界から持っていくものと思われます。



◇自分のものではない時間



妖精の椅子を図書室2階に決めた場合、11月3日にニルスの言霊から、生き返ったネズミのヌーが狂暴になり指にかみついたということが聞けます。
音楽堂で奪ったヘビの命の時間がヌーに影響を与えたのかもしれません。

奇妙によじれた枯れた花もほかの植物の命の時間を与えられたものでしょうか。
外出を阻止するための10月22日に、枯れたよじれた花を前に妖精を捕まえようとしているロージャの言霊によると、この花は妖精がユーリヤにプレゼントしたものだとされています。



最初聞いたとき、こんなのプレゼントしたっけ?と思ったんですが、9月17日に蘇らせた花が枯れたものではないかと最近思い至りました。
あの花もブドウという別の命の時間が与えられたもので、蘇ったときには分からなかったものの、再び枯れた際、普通ではない形状になったのではないでしょうか。


今回はここまで。
その8はコチラ




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2018年12月22日 枯れた花の画像を差し替え。

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