黒蘭の蔵

気に入ったもの、気になったものを放り込んでおく蔵
2018/12/28(金)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。
ひとまず最終回となります。
あくまで私個人のいち解釈です。

前回、その8はコチラ
その1はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




◇妖精への視線

ゲーム中、止まった時間であっても、子供たちの顔に近づくと目だけはプレイヤーの方を向くことがあります。
私が最初、登場人物の視線が気になったのは11月3日のユーリヤから森へ入った子供たちを助けて欲しいと言われている間、なんか目が合ってる気がすると感じたところでした。

実際、このときのユーリヤは視線をプレイヤーの方に合わせてくるようになっているようですが、その時は知らず、話が終わったあと顔を近づけてみると目がハッキリと動いたのでかなりビビりましたねw
ちなみにルーリンツが命の時間を奪われるときと、ユーリヤが復活するときも目が合うようです。

その後、他の子たちでも顔を近づけて目が動くか確認しましたが、今度は動く場合と動かない場合があることが気になりました。



結論から言うと、おそらく妖精の存在を確信すると止まった時間でも目が妖精の方を向くようになると思われます。
全ての場面で確認したわけではありませんし、角度や表情によって確認できない場面もあるので断言しにくい気持ちもありますが、私はそう考えています。

ユーリヤは9月17日からほぼ全ての時間で目が動きます。
それは彼女がプレイヤー妖精に会う前から妖精の存在を疑っていないからだと思います。

ミイラ化した状態でも顔を近づけてみると、まぶたを閉じながら眼球を動かしているような反応が見られます。
しかも雪山での消失後、1年後の12月11日に動いているのが確認できます。
11月3日過ぎには精神体ユーリヤは消えてしまったはずで、それは死を意味したのかと思ったのですが違うのでしょうか?
正直、今は考える気力がありませんw

校長も同様に妖精の存在を確信しているはずですが、最初の2月4日で反応が無かったんですよね。
姿勢のせいでしょうか?
犬のダニーは動物的感覚のようなもので、ネコのティアは止まった時間でも動けているような印象です。

他の子供たちはシチューにイタズラの10月20日で顔を近づけても目は動きませんでしたが、イタズラが終了して移動した次の時間、10月22日から目が動くようになりました。
それよりも過去になる2月4日にはやはり目は動きません。



マリーは最初の10月22日では確認できるんですが、その後は10月31日18時まで動かない場面が続くのが断言しにくい理由でもあります。

ついでに10月31日18時、音楽堂の外にいる校長に顔を近づけると、閉じたまぶたをうっすら突き抜けて眼球が動いているのも確認できます。



◇物語の終わり

ユーリヤから命の時間を奪わず、指輪を手に入れなかったプレイヤー妖精は書籍「見えない妖精たち I」にあるように、ただ消えていくのでしょう。

一方でエンドロールに描かれているように、ロージャがケガをした過去は変えられなかったものの、学校の子供たちは穏やかな日々を過ごせているように見えます。
しかし学校の外では消失がまだ広がっているのかもしれません。
少なくとも、ロッブの森の妖精はまだうろついていることでしょう。

ゲームとしての物語の結末に安堵する反面、その先の物語を想像すると、果たしてグッドエンドと言えるのか。
不安を抱いた終わりを迎えます。



◇ちょっとした謎



――ニルスの白紙投票
最初の椅子決めをする10月22日、白紙投票を見たルーリンツが「あのことを忘れられない」ニルスが白紙のまま投票したものだと察しますが、初回プレイではなんのことか分かりませんでした。
その後、ニルスの言霊から、ユーリヤが命の時間を失ったことと妖精が関係あると考えたニルスは、妖精に対して不信感を抱いていると分かりました。




――マルガレータの大好きな場所にコイン
音楽堂で手に入るマルガレータのヒントに、コインは彼女が大好きな場所にあると書かれていますが、礼拝堂のデッキにはありません。
しかし安楽椅子近くの床を見ればわかる通り穴が開いています。
その下は犬のダニーがいた場所で、ここで見つかるコインはもともと礼拝堂のデッキにあったものが下に落ちたものではないでしょうか。
ちなみにこのヒント、昨日になって初めて見つけましたw




――第二教室、後ろの黒板の肖像画
トレーラーやゲーム開始直後、ひとつだけ子供が描いた絵のようになっているのが、少し不穏な印象を受けたんですが、答えは簡単でしたね。



署名を見ると他の絵はマリーによって描かれ、マリーの絵はロージャが描いたもののようです。
分かっていれば何ともない、むしろ微笑ましくも感じるものでも、知らなければそのアンバランスさに不安をかき立てられてしまいます。




――幼児ニルスの服
写真を見たとき一瞬、スカート履いてるのかなと思いましたが、ズボンの裾のようなものが見えるので、その上にスモックかエプロンのようなものを着ているのだと思います。


――2階の校長
2回目の6月1日に校長が2階にいることが分かります。
一瞬、どうやって車椅子で2階に行ったんだろうと思ったんですが、これも答えは簡単。



2階の開かずの部屋から校長室に下りる階段のところに1台の車椅子があります。
別の時間、ルーリンツがいる12月11日に2階へ上がったところにも1台の車椅子があります。
6月1日、校長は校長室奥の階段で車椅子を降り、おそらくは階段を這い上がって、2階の車椅子に乗り換えたのだろうと思います。




――ネコのティアは実在する?
ユーリヤが持ち上げる以外、他の子供たちと絡んでる様子がない(通せんぼキャラなので当然なんですが)のでティアもまた霊的な存在なのかと疑ったことがありました。
しかし、エンドロールで礼拝堂のデッキにいる校長の膝の上にしっかり抱えられているように見えるので実在していると思います。
たぶんw



◇残された謎と個人的な答え

――プレイヤー妖精はどのようにして生まれたのか
妄想的答えはその7のコメント欄をご覧ください。


――プレイヤー妖精に語りかけてくる声の主は何者なのか
英語音声で「My dear.」と呼びかけてくることから、プレイヤー妖精=アレクシスに対して親しみを感じている人のように思います。
個人的にはマルガレータの声と思いたいのですが、これも妄想に近い。
まー、ゲームとしてのガイドと言ってしまえば元も子もありませんがw


――そもそもこの世界に妖精は実在したのか
私はこの世界に妖精は存在しておらず、ローアンの研究者たちは物語の中にしかいなかった“妖精”を生み出したことで、“消失”という大災害を引き起こしてしまったのだと考えています。


――蓄音機のある謎空間はなんなのか

――Abigeilとは何者か

――マルガレータは学校のどこで生活していた?

――研究レポートはいつ、だれが書いた?



等々、まだまだ謎は残っていますが、本考察はこの辺で終了としたいと思います。



一連の考察内容は、あくまで現時点での私個人のいち解釈に過ぎません。
今後もゲームは周回するでしょうし、そこで新たな気付きがあったり、考えが変わることもあるかもしれません。
その場合、過去記事の加筆修正や新たな記事を上げるかもしれませんがひとまずはここで終了とさせていただきます。

長々とお付き合いくださった皆様に感謝申し上げます。
『Déraciné(デラシネ)』は素晴らしーね!



関連記事:
PSVR『Déraciné(デラシネ)』 クリアしたらしーね/2018年11月11日
PSVR『Déraciné(デラシネ)』 買ったらしーね/2018年11月9日
PV 『Déraciné』、『ASTRO BOT』、『MOSS』/2018年11月14日


2018/12/25(火)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。
ゲーム中の英文を書き写す際、文字が判別しづらく単語を間違っていたり、和訳が間違っているかもしれませんが、ご了承ください。

前回、その7はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




今回は「消失」関連で思ったこと、考えたことを。
その前に、セーブデータに記される各章のタイトルをまとめておきます。


第1章 1節 新しい妖精

第2章 1節 友だち

第3章 1節 ハーブのシチュー

第4章 1節 妖精さんの椅子
第4章 2節 嵐の夜に
第4章 3節 妖精さんの椅子 II

第5章 1節 音楽堂を開けるんだ
第5章 2節 妖精さんと演奏会

第6章 1節 みんなの決意
第6章 2節 ロッブの森
第6章 3節 再会

第7章 1節 みんな消えて
第7章 2節 妖精さんの椅子 III
第7章 3節 悲劇の理由
第7章 4節 嵐の夜に II
第7章 5節 妖精さんの椅子 IV

第8章 1節 ユーリヤ
第8章 2節 新しい妖精 II

全章 完



◇消失とミイラ化



消失とは、人であった妖精が命の時間を奪うことから起こると思われます。
一方、プレイヤー妖精が命の時間を奪った場合は肉体がミイラ状になるものの、ユーリヤの肉体が残っていることから分かるように、その場で消失してしまうことはないようです。



金枝を持つ妖精が命の時間を奪う方法は、ロージャとマリーの事例を見る限り、金枝を対象に突き刺すような形になるようですが、プレイヤー妖精が人の命の時間を奪うのは、対象となる人物が両手で金枝を持っている状態のときになります。
この違いが対象の消失とミイラ化の違いになるのでしょうか?

プレイヤー妖精は生まれたばかりで全てを奪いきれないのかとも考えましたが、妖精化ユーリヤは子供たちすべてを奪ってるので、妖精としての経験、時間的な長さは関係なさそうです。

あるいは時間に対する執着によって、奪う量が異なるのかなとも思いました。
しかしそうなると同じプレイヤー妖精の行為でありながら、ユーリヤの肉体はミイラ化しても精神体として存在し、約5ヶ月後に消えるのに対し、ルーリンツはその場で「消えること」を実感しているような様子なのが、矛盾を感じるところです。
そもそもユーリヤが精神体として存在していることのほうが特殊なのかもしれませんが。

個人的には、古い時間に囚われた妖精と赤子から生まれた妖精、金枝を持つ妖精と持たない妖精、それらの総合的な違いが消失とミイラ化という違いになるのではないかと思います。

ちなみに12月11日、教室で寝ているルーリンツのそばにある金枝を手にして突き刺すような動作をしても、ルーリンツの命の時間を奪うことはできません。
ゲーム的に当然なんですが、ちょっと気になってやってみましたw



◇消失とロッブの森

セーブデータの章のタイトルから山小屋のある場所周辺がおそらくロッブの森だと思われます。
過去改変後の12月11日にニルス(幻影)が読んでいた書籍から推測すると、消失はローアンからロッブの森、内海へと広がっていったようです。



正確にはローアンが先か、森が先か、書籍からは判断できないんですが、個人的には消失の発端はやはり人の妖精化にあると考えているので、その中心地であるローアンから始まったと考えています。

本がどれくらい前に出版されたかは分かりませんが、その後も消失は続いているでしょうし、山小屋のお爺さんの日記(手帳上の英文)に「There is no man but I, and no beast but my cat.(私以外に人はおらず、私のネコ以外に獣はいない)」とあることからも森の生き物がいなくなっていることがうかがえます。



同じく日記には「A pox on this mad spectre of Rohn!(ローアンのイカれた化け物め!)」との記述もあります。
森をうろつく妖精はローアンで妖精化された人なのか、ローアンの消失に関与したのか、確実なことは言えませんが、少なくとも妖精研究をしていたであろうお爺さんはこの妖精をローアンに関係があるものとして認識しているようです。

消失に関しても数々の疑問があります。

そもそもローアンで妖精化した人は何人かいるのでしょうか?
お爺さんの手帳には「There's one last faerie out there.(外に最後の妖精がいる)」とあり、妖精が複数体いる(いた)という認識のように思います。

ただ、目に見えない妖精が複数いた場合、どのようにして観測していたかといった疑問も生まれます。
ネコ一匹では対処しきれないでしょうし。

妖精が複数体いたとして、街や森から人や生き物の姿が見えなくなるほど命の時間を奪ってきたとしたら何体いたのか?
他の妖精は退治されたのか、過去へと移動したのか?
雪山の妖精は一体でお爺さんや子供たちの命の時間を奪っていったようですが、妖精一体が奪える時間の最大量は決まっているのか?
奪った時間の量によって妖精がさかのぼれる時間の量が決まるのか?

答はどこにもありません。



◇消失と寄宿学校



ゲームを開始した当初、10月20日の鳥の画が書かれたニルスのしおりの説明に「その生き物を 本の中でしか知らない」とあり、その“種類”の鳥を見たことがないという意味かなと思ったんですが、「鳥という生き物」自体を知らないとも取れるので、ちょっと迷っているところです。
木の上のハーマンの時間が動いた際、森の上を飛んでる鳥がいるので全くいないわけではないと思うのですが。



ただ、ヘビにかまれたルーリンツの「新しい生き物なんて みんな見てみたいだろう」といった言葉から、学校周辺でも生き物が見られるのは珍しいことであるというのは確かだと思います。

一方で、校長は学校の外へ出ることは禁じながらも、その理由となる妖精に関することや生き物の消失のことは子供たちに教えていなかった可能性があります。

過去改変のための10月22日、ニルスはプレイヤー妖精によって入れ替えられた本「ロッブの森の消失」を見覚えがないと言いました。
また、改変成功後の12月11日にロージャが校長室で読んでいた本は赤い指輪が登場する物語のようで、過去に一度読んだ際、校長に怒られ、本を隠されたようです。



教えないことで子供たちを危険から遠ざけようとしたのか、妖精研究やローアンに関わってきたことに後ろめたさがあるのか。
子供たちを怖がらせたくないという優しさか、あるいはいまだ研究への意欲は残っており、子供たちが妖精を怖がると“お願い”させにくいという判断なのか。

校長の真意は分かりません。



ユーリヤもまた、11月3日の手紙から学校の外が危険であること、「すべて奪われる」ことは知っているようです。
その7でも、ユーリヤが以前から金枝や妖精のことについて知っている可能性に触れましたが、知っていたとして外の危険性を他の子供たちに言っていなかったのでしょうか?

ユーリヤとしては妖精とは友達になれると考えているため、他の子たちに妖精を怖いものだと思ってほしくないと考えたのかもしれません。



◇11月3日 ニルスの服

考察ではなく感想というか私事の余談になります。



ユーリヤの妖精化が明らかになる11月3日、1階に下りてニルスの服だけが見えたとき、他の方の感想を見るとBGMが止まる演出も相まって不安や絶望を感じたといったものがありました。

しかし私はなんか楽観的に見てましたね。
消失したと思わせといて、実はユーリヤの快気祝いパーティか何かで無理矢理着替えさせられている、みたいな(笑
ハーマンの服が見えてすぐにそうではないと気付きましたが。

まー余談でした。


今回はここまで。
その9はコチラ




関連記事:
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PV 『Déraciné』、『ASTRO BOT』、『MOSS』/2018年11月14日


2019年4月19日 お爺さんの日記「There is no man but 1」の「1」を「I」に訂正、日本語訳を変更。

2018/12/20(木)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。
あくまで私個人のいち解釈です。

前回、その6はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




ユーリヤを中心に、諸々考えたこと、感じたことを。


◇9月17日

ユーリヤの持つ枯れた花を蘇らせる9月17日は、当初「デラシ年(当ブログのみでの呼び方です)」より1年前と考えていましたが、それよりも前の可能性も考えるようになりました。
一番の理由は9月17日のブドウの前にいる幻影ユーリア、その足元の地球儀を回すと出てくる言霊にあります。



地球儀から出る言霊は1つではなく、もう一度回すと2つ目の言霊が出現します。
その2つ目の言霊にはルーリンツらしき声も含まれていますが、1年前の声というにはだいぶ高く、やや若く聞こえる演技をしているように感じました。
根拠としては薄いんですが、1年前と断定する根拠もまた見当たらないので、可能性のひとつとしておきます。



実はこの9月17日は数年前の出来事で、裏庭をよく見たらアレクシスの墓が無いといった仕掛けがあるかもしれないと思い確かめてみたんですが、普通にありましたね。



◇ユーリヤに対する違和感

ユーリヤが実は命の時間を奪われているということがストーリー上ハッキリ分かるのは11月3日になってからですが、それ以前からも違和感を感じられたと思います。

私自身は、9月17日に襟元に着けていたブローチが、シチューにイタズラする10月20日のユーリヤには無かったことに疑問を抱くとともに、なんとなく他の5人のユーリヤに対する物言いから若干の距離を感じた気がしました。



その時は本当にぼんやりとしたものだったんですが、ニルスの看病をする2月4日に一人で礼拝堂にいるユーリヤを見たときに、もしかしたらこの世のものではないのでは?といった違和感を感じました。
ただ、実際には命の時間を奪われたのは6月1日で、2回目に訪れた2月4日で礼拝堂にいるユーリヤはブローチを着けた実体ユーリヤだったと分かりますけどね。



より確信に変わったと言えるのは10月31日、こよりで鼻をくすぐっても反応しなかったり、音楽堂の窓を開けようとするハーマンたちを見上げ、「受け止めてあげられない」というユーリヤのセリフからでした。
このセリフは同時に、単純に「受け止められるほどの力が無いから」と取られるようになっているのも上手いなと思いました。

周回プレイしていると、そのほかにも色んなところでほのめかされているんだなと気付きますね。



◇もう一度アレクシスに



チュートリアルの真相が明らかになる2回目の6月1日に、校長が持っているユーリヤからの手紙から様々なことが推測できます。
ユーリヤが金枝がどういうものかを知っていること、それを持ち出すことを校長が禁じていたであろうこと、ユーリヤがアレクシスを知っていること、金枝を持ち出したのはアレクシスに会うためだということ。

そして同時になぜそういったことを知っているのかという疑問も生まれます。
金枝についてマルガレータあるいは校長から聞いていたのか、校長には隠れて資料などを調べていたのか、など想像を巡らすことはできますが明確な答えは提示されていません。

「アレクシスに会いたい」ということに関して、私は最初、ユーリヤが妖精に命の時間を捧げ、死ぬことでアレクシスに会うという意味で捉えていました。
ただ、周回プレイしている間に、ユーリヤにとっては死ぬことよりも命の時間を妖精に捧げることが重要なのであり、その妖精にアレクシスを生き返らせてもらうことが「もう一度会う」という意味なのかな、とも思うようになりました。

また、“妖精のアレクシス”に“もう一度”会いたいという意味ではないかとも考えました。
医務室の病状記録やエンドロール後のユーリヤのモノローグから、6月1日より前の時期のユーリヤは病気か何かで寝たきりだったため気持ちが弱くなっており、いっそ命の時間を妖精に捧げようと思ったであろうことがうかがえます。
何らかの理由で妖精がアレクシスであると知ったユーリヤは、金枝を手にすることで、9月17日にその存在を実感した妖精=アレクシスに再び会えるのではと考えたのかもしれません。

現時点での私としては3つ目の「妖精アレクシスに再会」説を推したいんですが、ユーリヤが妖精研究についてある程度知っているということが前提になると思います。
前述の通り、隠れて資料を読んでいたかもしれませんし、学校に引き取られた最年長者として校長やマルガレータに何か聞かされたこともあるかもしれませんが、ゲーム内にそういったことを示す根拠は無く、やはり想像の域を出ません。



ユーリヤ、悪い妖精化



マルガレータの遺体が着けていた指輪から新たに生まれた赤い指輪を着けたことで、ユーリヤは失われた命の時間とともに、人としての生気も取り戻したようですが、それは一時的なものだったようです。
ユーリヤが悪い妖精となってしまったのは、研究レポートや書籍の幻影「特別なもの 下巻」にもあるように、他人の命の時間を与えられたためだと思われます。

その5でマルガレータの身に着けた指輪と妖精の指輪は異なる存在と考えましたが、赤い指輪として現れた時点では、ユーリヤにも着けられることから、赤い指輪は物質として存在し得るものだと考えられます。
生まれたばかりの妖精、または妖精化する人が身に着けることで、妖精の指輪として機能するのかもしれません。



その4で妖精化した人について考えたように、このときのユーリヤも金枝を持つ妖精となっています。

ユーリヤは何もないところから金枝を手にしましたが、プレイヤー妖精が現実世界のものを手に入れ、アイテム欄にしまっておくように、ユーリヤも自身のアイテム欄から取り出したのかもしれません。
「アイテム欄」とは妖精の能力をゲーム的に可視化したものだろうと好意的に解釈しておきましょうw

妖精ユーリヤの命の時間を奪った際、この金枝も物質として現実に残されていきます。
金枝はやはり妖精に付随するものではなく、古い時間に囚われた妖精が現実世界から持っていくものと思われます。



◇自分のものではない時間



妖精の椅子を図書室2階に決めた場合、11月3日にニルスの言霊から、生き返ったネズミのヌーが狂暴になり指にかみついたということが聞けます。
音楽堂で奪ったヘビの命の時間がヌーに影響を与えたのかもしれません。

奇妙によじれた枯れた花もほかの植物の命の時間を与えられたものでしょうか。
外出を阻止するための10月22日に、枯れたよじれた花を前に妖精を捕まえようとしているロージャの言霊によると、この花は妖精がユーリヤにプレゼントしたものだとされています。



最初聞いたとき、こんなのプレゼントしたっけ?と思ったんですが、9月17日に蘇らせた花が枯れたものではないかと最近思い至りました。
あの花もブドウという別の命の時間が与えられたもので、蘇ったときには分からなかったものの、再び枯れた際、普通ではない形状になったのではないでしょうか。


今回はここまで。
その8はコチラ




関連記事:
PSVR『Déraciné(デラシネ)』 クリアしたらしーね/2018年11月11日
PSVR『Déraciné(デラシネ)』 買ったらしーね/2018年11月9日
PV 『Déraciné』、『ASTRO BOT』、『MOSS』/2018年11月14日


2018年12月22日 枯れた花の画像を差し替え。

2018/12/12(水)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。

前回、その5はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




前回に引き続き、手がかりが少ない所に関しては、分からないものは分からないというスタンスでお送りします。
これまでの内容の繰り返しになる部分もありますがご了承ください。


◇アレクシスの生涯

前回、アレクシスの生没時期はユーリヤたち5人の孤児が学校へやって来たときより後ではないかと推測しました。
ではアレクシスはどのくらいの間、人として生きていたのか。

校長の古い日記には「死ぬ運命」にあったとはありましたが、それが生まれて間もなく訪れたものなのか、1、2年程度は一緒に過ごせたのかは不明です。



金枝を持つアレクシスの写真を見ると首がすわるくらいは成長しているように思います。
その写真の裏にある「妖精になる前に」の「前に」が、「直前」すなわち、この写真が撮られて間もなく妖精化を試みたのか、それとも妖精になるのはもう少し後で、妖精化よりも「前に」残された写真という意味なのか、分かりかねるところです。

アレクシス=プレイヤー妖精が他の妖精とは違い本能に従って他人の命の時間を奪うことが無いのは、研究レポートにもあるように、アレクシスが古い時間に囚われていない赤子の状態で妖精化したためであると考えられます。
ただ、時間の概念という意味で言えば、幼児の段階でもそれを理解するのはまだ難しいといったこともあるようで、そういった時期まで生きていた可能性もあります。



私としてはアレクシスの墓に刻まれた「Taken like a leaf in the wind」のニュアンスから、一緒に過ごした時間は一年にも満たないくらいの印象を受け、やはり赤子の段階でその一生を終えたのではないかと考えています。



一方でちょっと余計な深読みを。
第2教室の右側の机には小さな黒板が2つ並んで置かれており、9月17日にはユーリヤの分も含めて7つの小さな黒板があることになります。
小さな幼児のそばに年上の子が並んで授業を受けている姿を想像するのですが、どうでしょうか?



◇マルガレータとアレクシスの記憶

マルガレータとアレクシスの存在に関してちょっと不可解に思うのが、子供たちが二人のことを特に話題にしない点ですね。
もちろん、妖精が子供たちと接する時間は限定されており、それ以外の時間で何らかの言動があったのかもしれませんが、あまりにも二人が存在した雰囲気が無さ過ぎる気がします。

10月22日(2回目)の妖精の椅子決めの際、校長が投票したと思われる「礼拝堂のデッキ」の紙片を読み上げたルーリンツは、そこには安楽椅子が昔から置いてあり、校長がそのままにしておくよう言ったことを思い出していました。



安楽椅子がマルガレータの愛用していたものだったのか、礼拝堂のデッキがマルガレータのお気に入りの場所で安楽椅子は後から置かれたのか、色々と考えられますが、椅子の場所をデッキに決めた場合の校長の言霊から、少なくともその場所と安楽椅子はマルガレータと関係の深いものと推測できます。

問題はルーリンツがその関連に気付いていないように感じる点。
学校に引き取られた写真にも残っているようにルーリンツはマルガレータを知っているはずです。
どの程度の時間かは分かりませんが一緒に生活もしているはずで、その中で彼女がよくいた場所や好きなものなど、全く知らないとは思えないのですが、「礼拝堂のデッキ」、「安楽椅子」といったものに対して特に関心がないようなルーリンツの反応は、繰り返しプレイしていると不思議に思えました。



◇ロージャが学校に

ロージャが学校に来た時期やその理由について考えたいと思います。

これまで見てきた通り、寄宿学校に最初に迎え入れられたのは写真からユーリヤ、ルーリンツ、ハーマン、マリー、ニルスの5人と思われます。
一方、ロージャは校長の姪であるものの、5人よりは後になって寄宿学校に入ったことが考えられます。

その背景としてローアンの消失事件があると考えられます。

ローアンで妖精研究をしていた校長はおそらくその周辺に住んでいたでしょうし、ロージャの家族もまたローアンの街で暮らしていたかもしれません。
校長とマルガレータがローアンを離れ、寄宿学校を運営するようになってもロージャは家族から離れる理由がありません。

しかし、ローアンで人の妖精化が成功すると、街の人々が妖精に命の時間を奪われるようになります。
その被害者の中にロージャの家族がいたとは考えられないでしょうか?

ロージャがどうやって妖精の被害を免れたのかは分かりませんが、一時的に学校でロージャだけを預かっている間に妖精事件が起きたとか、初期の消失が明らかになってからロージャだけを先に避難させたなど、考えられることはあります。



◇校長の外見

校長の外見の変化を見ていきたいと思います。



ローアンで金枝を囲んだ写真の右の2人が校長とマルガレータであると推測しました。



校長の写真はもうひとつロージャと写ったものがあり、白髪の多さや頬のシワの感じからおそらくローアン写真よりも後の姿だと思われます。



ロージャとニルスの身長や振る舞いなどを見ると、2人はほぼ同い年だと思われます。
そう考えると、マルガレータとニルスを含む5人の子供たちの写真は、校長とロージャの写真よりも後の出来事である可能性が高いと思われますが、マルガレータの外見の変化は感じられません。



一方、校長&ロージャ写真からゲームプレイが行われる現在までの年数は、今のロージャが小学生くらいと考えると10年程度の時間が経っていると思われますが、それにしては校長の老い方が激しいような気がします。
アレクシスやマルガレータの死によって心労が重なったせいもあるかもしれませんが、あまり変化のないマルガレータと変化の大きい校長の外見は何か理由があるのかと勘繰ってしまいます。


今回はここまで。
その7はコチラ




関連記事:
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PSVR『Déraciné(デラシネ)』 買ったらしーね/2018年11月9日
PV 『Déraciné』、『ASTRO BOT』、『MOSS』/2018年11月14日


2018/12/09(日)
前回に続いて、PSVR『Déraciné(デラシネ)』に関して、考察というほど深くはありませんが、思ったこと、感じたことをつらつらとまとめてみます。

前回、その4はコチラ

※本作は内容に関して一切の事前情報なしでプレイされることをお薦めします。
重大なネタバレも含めて記していきますので、いずれプレイする気があるという方はご注意ください。




今回まとめる部分の多くは手がかりが少なく、今までにも増して憶測に基づくものになります。
謎は謎のまま、分からないものは分からないというスタンスでお届けしますのでご了承ください。


◇妖精研究の変遷

ローアンでの妖精の研究が人の妖精化にまで至った流れをざっとおさらい。
もちろん、すべて推測です。

① 妖精が持つ、「命の時間を奪い、与える」能力に注目する。

② 妖精が人の命の時間を奪うとどうなるか?

③ 人の命の時間は過去に囚われているため、人の時間を奪った妖精は過去へと移動するのではないか。

④ 妖精に人の命の時間を奪わせる触媒として金枝を作り出す。

⑤ 妖精にお願いすれば誤った歴史を正してもらうことができるのではないか。

⑥ 人が金枝を持つ妖精になれば容易に過去の過ちは修正され、世界は正しさに満ちる。なんの躊躇が必要だろうか!


③と④は同時でも入れ替えられても成立すると思います。



◇ローアンと寄宿学校



前回、校長とマルガレータもまたローアンで妖精の研究をしていたと考えました。
しかし、演奏会が開かれる10月31日18時、校長が持っているローアンから送られたと思われる手紙に「道を別った友よ」と記されていることから、2人は何らかの理由でローアンを去ったであろうことがうかがえます。

マルガレータの日記には「そればかりでは、ローアンと同じだ」といった表現があり、彼女がローアンでの研究手法や方針に批判的であった印象を受けます。

図書室にある「妖精研究概論」では、妖精が子供のそばに現れることやその能力を使わせたいときは子供にお願いさせるとよいといったことが書かれています。
妖精研究における子供の活用とその接し方に対して意見の相違があったのかもしれません。
上の流れで言えば⑤あたりですね。



マルガレータの日記では、寄宿学校にユーリヤたちを受け入れたことは妖精研究のためでもあると認めつつ、子供たちと家族のような形で関わっていこうという意志が感じられます。
校長の当初の感情が分かるものは見つかりませんが、熱を出したニルスの看病や演奏会の準備をする子供たちの様子に対する言霊から、校長もまた子供たちとの生活とその成長に喜びを感じていたものと思われます。

ついでにと言ってはなんですが、前回述べたように、山小屋のお爺さんもおそらくローアンを自ら去った妖精研究者のひとりであり、山小屋で森の監視などを行っていたと考えられます。



◇気になる名前



ちょっと気になる小ネタとして、ローアンからの手紙の差出人と思われる欄には「Nicholas Uspensky」と読める名前があります。
この名前は、若干かすれているものの、山小屋にあった書籍「妖精の実践」にも記されており、同一人物である可能性が高いと思われます。

一方、「Nicholas」という名はニルスが読んでいる本「ニコラスと庭園の動物誌(NICHOLAS AND THE GARDEN ANIMALS)」、「ニコラスと森の動物誌(NICHOLAS AND THE FOREST CREATURES)」にもあります。
これが「Nicholas Uspensky」と関係があるのか、ただの小説なのか分かりませんが、ちょっと気になるところではあります。



また、図書室の「妖精研究概論」には「Karl Uspensky」と著者名らしき名前が記されています。
「Nicholas Uspensky」なる人物と血縁関係にあるのか、あるとしたらどういう関係性なのか、こちらもちょっと気になります。



もうひとつ、ローアンからの手紙に戻って、封筒の宛名と思われる部分には「Dr. Louis Graves(Draves?)」と読める名前があります。
これが校長の名前なのでしょうか?
気になります。



◇マルガレータとアレクシス



まずマルガレータとアレクシスとの関係ですが、やはり単純に母子である可能性が高いのではないでしょうか。
我が子であるアレクシスが妖精化に失敗し、死亡したと判断したマルガレータは後を追うように川に身を投げたと思われます。

それではアレクシスの父親は誰なのか?
やはりともにローアンを出て、寄宿学校での生活を営んでいたであろう校長の可能性が考えられますが・・・どうでしょう?
校長とマルガレータが血縁関係であることを示すものは見当たりませんし、血縁関係あっても可能と言えば可能ですが、個人的にはあまりリアリティを感じないカップルです。

いずれにしても、「死ぬ運命」にあったアレクシスの妖精化に積極的であったのは校長のほうだったのではないかと思われます。
それは、妖精としてでも“存在”し続けることを願った父親の想いか、それとも他人であるが故に妖精研究者としての欲求が勝った結果なのか。



2月4日に川から上がってくる遺体は、首輪に名前が刻まれている通りマルガレータのものと思われます。
校長の日記には、マルガレータは川に身を投げた際、指輪を持っていたことが記されています。

後になってプレイヤーが手にするその指輪は、妖精のものと同じように命の時間が留められているようです。
指輪もまた、金枝と同じように妖精研究の中で人工的に作られたものなのでしょうか?



マルガレータの指輪は厳密に言うと2月4日の遺体から外して手に入れるのではなく、10月22日に時間移動した後、宙に出現した指輪を手に入れることになります。
プレイヤーが妖精になって初めて人の命の時間を奪ったときにも、赤い指輪は宙に浮かんで出現しました。
マルガレータが身に着けた指輪と、本物の妖精の指輪とはやや異なる存在なのではないでしょうか。

遺体となったマルガレータの指輪には彼女自身の命の時間が留められていると考えられます。
アレクシスの死後、マルガレータが指輪を身に着けて川へ身投げしたのは、自身の命の時間をアレクシスに渡すためだったのではないかと、私は考えています。
アレクシスが戻ってこないことへの絶望と同時に、完全な妖精化に必要な命の時間を渡したいという希望を抱いた身投げだったのかもしれません。

ただ実際にはマルガレータの指輪の力を使うことなくアレクシスはプレイヤー妖精となったようです。
ユーリヤが悪い妖精になった話はまた後で。

ちなみに「アレクシス(Alexis)」は男女どちらでも通じる名前のようで、プレイヤーがどちらの性でも違和感を感じにくい設定になっているようですね。



改めて書いておきますが、分からないものは分からないというスタンスでお送りします。


◇寄宿学校での時系列

プレイヤー妖精が寄宿学校に現れる前の出来事に関しては手がかりが少なく、出来事の順序も推測しにくいものです。
私が特に気になるのはアレクシスの生没時期とロージャが学校に引き取られた時期。



まず手がかりとして、マルガレータの姿を確認できる写真が4枚あります。
ローアン時代、5人の子供たちを迎えた日、一人で写っているものとアレクシスと写っているもの。



見比べてみると、特に見た目の変化は感じられません。
アレクシスとの写真は一人のものにアレクシスを描き足した画像と思われる、というメタ的なところは無視しますw

ローアン時代のあとに子供たちを迎えるという順番は確定できますが、アレクシスはどの時期に産まれ、死去したのか。
マルガレータが、アレクシスの死去からそれほど長く時間を置いて身投げするとは考えにくいため、ローアン時代と孤児受け入れの間にアレクシスが死去した可能性は低いと思われます。
5人がやって来た日記に「学校をあの子たちの家にしよう」、「親になろう」と前向きな決意が書かれていますが、後を追うほどの悲しみを抱いた我が子の死後に書かれたとも考えにくいですし。

アレクシスの生没時期はやはりシンプルに、5人の孤児たちを学校に迎えたときより後ということになると思います。


ではアレクシスはどのくらいの間、生きていたのか。
ということなど、疑問はまだありますが今回はこの辺で。
その6はコチラ




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2019年1月15日 「◇気になる名前」の「Draves」を「Graves(Draves?)」に変更。

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